恐怖には恐怖を
もし、彼女が優しい人間ではなかったら、今も生きていたのかな。
助けてくれる人がほとんど居ない中で、ほんのひと握りの人が気にかけてくれる。
その人達のおかげで生きていける。
ただ、そのひと握りの優しい人の中で、言葉だけではなく、実際に手を貸してくれる人は殆どいないに等しい。
その現実を知った時、独り下を向くことになる。
いつになったら終わるのか、日に日に増していく攻撃に耐えながら、先の見えない不安に襲われる。
終わらない苦しみを、彼女は自殺という形で終わらせることにした。
聞いているだけで息が詰まる話。
彼女が人を恨む事が出来たなら、
彼女が怒りを押し殺さなかったら、
何か変わっていたのかな。